かつて「どぶ川」と呼ばれた越戸川(こえどがわ)が、今、和光市の誇るべき「憩いの聖地」として新たな進化を遂げようとしています。2026年現在、この川は単なる環境再生のモデルケースを超え、地域住民の生活に深く根ざした「未来の川」へと向かっています。
過去からの再生:絶望の淵から清流へ

和光市内を流れる全長約2.6kmの越戸川。かつての高度経済成長期、周辺の宅地化に伴う生活排水の流入により、その水質は著しく悪化していました。しかし、長年にわたる下水道網の整備と、武蔵野台地から湧き出る豊かな「湧水」の力を活かした大規模な浄化対策、そして「水辺再生100プラン」による護岸整備の結果、川は見事に姿を変えました。

現在、越戸川はアユが遡上するほどの清流を取り戻しています。一年を通して安定した水温が保たれるこの場所には、コイやメダカ、カワセミなどの多様な生き物が戻り、都市部では奇跡ともいえる豊かな生態系が息づいています。
次なるステージへ:「Next川の再生」

水辺再生100プランから10年以上が経過した今、和光市と埼玉県は新たなプロジェクト「Next川の再生」を始動させています。これは、かつて取り戻した「清流」を基盤に、川を地域の貴重な資産として「使い、育て、楽しむ」ための取り組みです。
今回の再整備では、単なる環境保全にとどまらない、より実用的で魅力的な空間づくりが計画されています。
【再整備の主なポイント】

- 魚道の整備: アユなどの魚がより上流まで遡上できるよう、環境に配慮した魚道を設置。生き物にとっての「通り道」を確保します。
- 安全な通行と治水の強化: 道路を安全に横断するためのアンダーパス整備や、河川の安全度を高める「根固め」を行い、市民が安心して利用できる環境を整えます。
- エリアの活性化: 赤池橋や谷中川合流点、日の出橋などの主要地点を軸に、地域住民と連携した生物調査や環境学習の場として活用していきます。
川とともに暮らす、未来の和光市


整備された遊歩道は、ベビーカーを押す家族連れや、ウォーキングを楽しむ方々にとって、日常の散歩コースとして欠かせない場所となっています。春には桜が水面に映り込み、秋には彩り豊かな紅葉が訪れる。そんな四季折々の風景を楽しみながら、水辺でひと休みする。


「Next川の再生」によって、越戸川はこれから、さらに「人と川がもっと近くなる場所」へと進化します。
今年の夏も、子どもたちの楽しそうな声が聞こえてきそうです。アユが遡上し、市民が集う越戸川。この小さな川の物語は、これからも和光市の歴史と共に流れていきます。


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